長崎と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?異国情緒あふれる街並み、美しい夜景、そして忘れてはならないのが、絶品ご当地グルメの数々。その中でも特に、長崎県民のソウルフードとして愛され、多くの観光客を魅了するのが「トルコライス」です。
カレー風味のピラフ、懐かしのナポリタンスパゲッティ、そして揚げたてのサクサクトンカツ。この3つがワンプレートに盛り付けられた姿は、まさに「大人のお子様ランチ」。その見た目のインパクトと、一度に複数の味を楽しめる満足感で、多くの人々を虜にしています。
この記事を読めば、
- トルコライスがどんな料理なのか
- なぜ「トルコ」という名前がついたのか、そのミステリアスな歴史
- 長崎で行くべき絶品トルコライスの名店
- おうちで楽しめる基本のレシピ
など、トルコライスに関するあらゆる情報が分かります。さあ、あなたもこの記事を読んで、奥深いトルコライスの世界の虜になってみませんか?
そもそもトルコライスとは?基本を解説
トルコライスとは、主に長崎市を中心とした地域で食べられているご当地グルメです。一皿にピラフ、スパゲッティ、ポークカツを盛り付けるのが最も基本的なスタイルですが、実は決まった定義はなく、お店によって様々なバリエーションが存在するのが大きな魅力の一つです。
トルコライスの3つの基本要素
まずは、王道スタイルのトルコライスを構成する3つの主役をご紹介します。
- ピラフ: カレー風味のドライカレーピラフが定番ですが、バターライスやチキンライス、ケチャップライス(オムライス風)のお店もあります。
- スパゲッティ: 昔ながらのケチャップ味が美味しいナポリタンが主流です。お店によってはミートソースやクリームソースの場合も。
- カツ: 豚肉を使ったポークカツが基本。揚げたてのカツにデミグラスソースやカレーソースがたっぷりとかけられています。
これらが一つの皿に集結し、絶妙なハーモニーを奏でます。
お店によって個性豊か!様々なバリエーション
基本の3要素に加えて、お店ごとに創意工夫を凝らした個性的なトルコライスが存在します。
- カツの種類: チキンカツ、ビーフカツ、エビフライ、コロッケ、ハンバーグなど
- ソース: デミグラスソース、カレーソース、ホワイトソース、トマトソースなど
- ライスの種類: チャーハン、シーフードピラフ、ガーリックライスなど
- その他: サラダが添えられていたり、カツの上にチーズが乗っていたりと、その組み合わせは無限大です。
長崎を訪れた際は、ぜひ色々なお店のトルコライスを食べ比べて、お気に入りの一皿を見つけてみてください。
気になるカロリーは?
ピラフ、パスタ、揚げ物と、炭水化物と脂質がメインのトルコライス。そのカロリーは、お店のレシピやボリュームにもよりますが、一般的には1皿あたり1,000kcal〜1,500kcal前後と言われています。なかなかのハイカロリーですが、それだけの満足感と幸福感を得られる一皿であることは間違いありません。旅行の時くらいは、カロリーを気にせず思いっきり堪能しちゃいましょう!
なぜ「トルコ」?名前の由来とミステリアスな歴史
多くの人が抱く最大の疑問、それは「なぜトルコライスという名前なのか?」ということでしょう。実は、料理にトルコ共和国との直接的な関係はなく、その由来ははっきりしていません。ここでは、有力とされている諸説をご紹介します。
トルコ料理じゃない!名前の由来は諸説あり
説①:トルコ料理「ピラヴ」が語源?(最有力説)
トルコには、炊き込みご飯のような「ピラヴ」という米料理があります。この「ピラヴ」がなまって「ピラフ」となり、ピラフが乗っていることから「トルコライス」と呼ばれるようになった、という説が最も有力とされています。
説②:3色(トリコロール)がなまった?
ピラフの黄色、スパゲッティの赤、カツの茶色(またはサラダの緑)をフランス国旗の3色(トリコロール)に見立て、そこから「トルコ」という言葉に変化したという説です。ロマンチックな発想ですね。
説③:多国籍な見た目から?
ピラフ(インド・中東が起源)、スパゲッティ(イタリア)、トンカツ(日本)と、様々な国の料理が一堂に会している様子から、アジアとヨーロッパの文化が交差する国「トルコ」をイメージして名付けられたという説もあります。
他にも様々な説があり、本当の由来が謎に包まれているのも、トルコライスのミステリアスな魅力の一つです。
発祥のお店はどこ?謎に包まれたルーツ
名前の由来と同様に、発祥のお店についても複数の説が存在し、今もって結論は出ていません。
- レストラン「トルコ」説: 1950年代に神戸のレストラン「トルコ」で提供されていたメニューが長崎に伝わったという説。
- 「ツル茶ん」説: 長崎最古の喫茶店「ツル茶ん」の初代シェフが考案したという説。
- 「ビストロ ボルドー」説: 「ビストロ ボルドー」の先代オーナーがレストラン「マルゼン」のシェフ時代に考案したという説。
いずれのお店も長崎の食文化を語る上で欠かせない名店です。歴史に思いを馳せながら味わうのも良いでしょう。
【エリア別】長崎でトルコライスを食べるならここ!おすすめ名店10選
「トルコライスのことを知ったら、無性に食べたくなってきた!」そんなあなたのために、長崎市内でおすすめの名店をエリア別にご紹介します。
【思案橋・浜町エリア】老舗の味と出会う
長崎随一の繁華街エリア。歴史ある名店の味を堪能できます。
- ツル茶ん: 九州最古の喫茶店とも言われ、「元祖」を名乗るお店の一つ。昔ながらの王道トルコライスが味わえます。
- ビストロ ボルドー: こちらも発祥のルーツを持つとされる洋食店。上品なデミグラスソースが絶品です。
- ニッキー・アースティン: 20種類以上のトルコライスが揃う専門店。自分好みの一皿が必ず見つかります。
【長崎駅・出島エリア】アクセス抜群の人気店
観光の拠点となるエリア。気軽に立ち寄れる人気店が揃っています。
- アティック: 長崎港を一望できる絶景カフェ。おしゃれな空間でいただく「トルコライス」が人気です。
- 銅八銭: レトロな雰囲気の喫茶店。ボリューム満点で、地元の人にも観光客にも愛されています。
【グラバー園周辺】観光と一緒に立ち寄りたいお店
異国情緒あふれる観光スポットの近くで、特別なトルコライスを。
- レッケル (Lekker): なんとサッカー元日本代表・吉田麻也選手の後援会が営むお店。モダンで洗練されたトルコライスが楽しめます。
【郊外】地元民に愛される名店
少し足を延ばして、地元で人気の味を体験するのもおすすめです。
- 向日葵亭: デカ盛りで有名な洋食店。そのボリュームは圧巻の一言!お腹を空かせて挑戦してみてください。
- コロッケ: 店名にもなっている自家製コロッケが乗った、一風変わったトルコライスが名物です。
まだまだある!個性派トルコライスのお店
- プリムローズ: 石焼で提供されるアツアツのトルコライスが人気。最後まで冷めずに美味しくいただけます。
- カフェ オリンピック: 巨大なパフェで有名なお店ですが、トルコライスも絶品。高さのある盛り付けが特徴的です。
おうちで挑戦!基本のトルコライスレシピ
長崎で食べたあの味を家でも再現したい!そんなあなたのために、基本のトルコライスの作り方をご紹介します。3つのパーツを同時に作るのは少し大変ですが、出来上がった時の感動は格別です。
準備する材料(2人分)
- カレーピラフ用
- ごはん: 400g
- 玉ねぎ: 1/4個
- ミックスベジタブル: 50g
- バター: 10g
- カレー粉: 小さじ2
- 塩、こしょう: 少々
- ナポリタン用
- スパゲッティ: 160g
- 玉ねぎ: 1/4個
- ピーマン: 1個
- ウインナー: 4本
- ケチャップ: 大さじ6
- サラダ油: 大さじ1
- とんかつ用
- 豚ロース肉: 2枚
- 塩、こしょう: 少々
- 小麦粉、溶き卵、パン粉: 各適量
- 揚げ油: 適量
- デミグラスソース(市販): 適量
3ステップで簡単!調理手順
ステップ1:絶品カレーピラフの作り方
- 玉ねぎはみじん切りにする。
- フライパンにバターを熱し、玉ねぎとミックスベジタブルを炒める。
- 玉ねぎがしんなりしたら、ごはんを加えて炒め合わせる。
- カレー粉、塩、こしょうで味を調えたら完成。
ステップ2:昔ながらのナポリタンの作り方
- スパゲッティを袋の表示通りに茹でる。
- 玉ねぎは薄切り、ピーマンは輪切り、ウインナーは斜め切りにする。
- フライパンにサラダ油を熱し、②を炒める。
- 茹で上がったスパゲッティとケチャップを加えてよく絡めたら完成。
ステップ3:サクサクとんかつの揚げ方と盛り付け
- 豚ロース肉の筋を切り、塩こしょうを振る。
- 小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつける。
- 170℃の油できつね色になるまで揚げる。
- お皿にピラフ、ナポリタンを盛り付け、食べやすく切ったとんかつを乗せる。
- とんかつの上からデミグラスソースをかければ、トルコライスの完成!
もっと手軽に!時短・アレンジレシピ紹介
「全部作るのは大変…」という方は、便利なアイテムを活用しましょう!
- 時短アイデア: 冷凍ピラフや市販のパスタソースを使えば、調理時間を大幅に短縮できます。
- アレンジアイデア: カツの代わりに冷凍ハンバーグやエビフライ、唐揚げなどを乗せても美味しいですよ。自分だけのオリジナル・トルコライスを作ってみてください。
トルコライスに関するQ&A
最後に、トルコライスに関するよくある質問にお答えします。
Q1:長崎以外でも食べられる?
A1:はい、食べられます。長崎出身の方が経営するお店など、全国にトルコライスを提供しているお店は点在しています。また、関西地方には「トルコライス」という名前で、チキンライスやドライカレーの上に生卵とカツを乗せた、全く別の料理が存在することもあります。
Q2:一緒に頼みたい長崎名物「食べるミルクセーキ」って何?
A2:長崎の喫茶店で定番のスイーツ「食べるミルクセーキ」は、飲み物というより「かき氷」に近い、フローズン状のデザートです。卵と砂糖、練乳の優しい甘さが特徴で、トルコライスを食べた後のお口直しにぴったり。ぜひセットで注文してみてください。
Q3:お土産用のトルコライスはある?
A3:トルコライスの具材をイメージした「トルコライス風ふりかけ」や、トルコライス味のチップスなどが販売されています。料理そのものを持ち帰るのは難しいですが、長崎の思い出としてお土産に探してみてはいかがでしょうか。
まとめ:奥深い魅力が詰まったトルコライスを味わい尽くそう!
この記事では、長崎が誇るご当地グルメ「トルコライス」の基本から歴史、おすすめの名店、家庭で楽しめるレシピまで、その魅力を徹底的に解説しました。
- ピラフ・スパゲッティ・カツが一体となった、まさに「大人のお子様ランチ」
- 名前の由来や発祥は謎に包まれたミステリアスな歴史を持つ
- お店ごとに個性があり、食べ比べるのが楽しい
- おうちでも意外と簡単に作れる
ワンプレートに夢とロマン、そして美味しさが詰まったトルコライス。長崎を訪れた際には、ぜひお気に入りの一皿を見つけてみてください。また、この記事のレシピを参考に、ご家庭で長崎の味を再現してみるのも素敵です。トルコライスを通して、長崎の豊かな食文化を存分に感じていただければ幸いです。
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